ビットコインはジリ上げ相場で出来高増加:様子見ムード解消は近いか

BTC対ドル相場は粘り腰を発揮

BTCの対ドル相場は、先月24日の急落以降比較的狭い値幅でジリ上げ相場となっている。昨今では、加仮想通貨取引所Quadriga創業者の死去による巨額の仮想通貨凍結騒動や、米CoinbaseによるNeutrino買収を契機とする「#DeleteCoinbase」ムーブメントの流行など、混乱が重なった割に相場の腰は粘り強く推移していると言えよう(第1図)。

【第1図:BTC対ドル相場チャート】

出所:coinmarketcapより作成

一方、一つ懸念されるのは、足元の出来高の増加だ。通常、相場の上昇に出来高の増加が伴う場合、トレンドの確度が高いと判断される。しかし、足元の値動きの鈍さを考慮すると、明確に買い優勢とは判断し難い。むしろ、売り買い双方の勢いが同時に増してきていると解釈でき、一見静かな相場の裏で売り買いの鬩ぎ合いがエスカレートしているといえよう。

 

デリバティブ市場は警戒感強めるが、様子見ムードは今週いっぱいか

こうした中、BTC先物市場からは下落への警戒を強める動きも確認される。

米商品先物取引委員会(CFTC)が現地時間8日付で発行したCOTレポートによると、3月5日時点での全米BTC先物市場におけるファンド勢のネットポジションは、前回の-1741から-2131と依然ショートが優勢となっている。内訳は、ロングが1835枚(-39)に対しショートが3966枚(+351)となっており、先週比でショートへの傾きが目立つ。

また、シカゴ・マーケンタイル取引所(CME)にBTC先物が上場された日からのファンド勢のネットポジションから集計したCOTインデックスは、先週の47.5%から足元40%を割り込み35.9%と昨年5月時の低水準に近づいている(第2図)。

【第2図:COTインデックスチャート(Leveraged Funds)】

出所:CFTCより作成

しかし、蘭DeribitのBTCオプション市場からは、相場上昇への期待を伺わせる動きも確認される。

15日行使分のBTCオプション建玉では、先週7日から現在までに3625ドルと3500ドルストライクのプットオプション建玉がそれぞれ200%近く増加している一方、22日行使分のBTCオプションでは、4625ドルストライクのコールオプション建玉が前日比で120%ほど増加している(第3、4図)。

以上を踏まえると、今週以降は相場上昇への期待値が上がっていると整理でき、15日行使分BTCオプションのプット急増は、プロテクティブ・プットによるヘッジ需要が高まった結果と考察される。

 

【第3図:3月12日時点での3月15日行使BTCオプション建玉(Deribit)】

出所:Deribitより作成

【第4図:3月12日時点での3月22日行使BTCオプション建玉(Deribit)】

出所:Deribitより作成


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