ドイツの航空会社のブロックチェーン航空券
航空会社が初めてブロックチェーンで航空券を発行した。ドイツの航空会社Hahn Airは11月18日、公式プレスリリースで発表した。
Hahn Airはデュッセルドルフからリュクセンブルグへ向かう飛行機で初めてブロックチェーンによって発券されたチケットを持つ乗客を運んだという。
ブロックチェーンチケットの発券にあたり、旅行業界にブロックチェーンシステムを導入し、従来の高額な手数料を撤廃するなど、消費者、ホテル、航空会社にとってより利便性の高い方向へと業界を改善しようとしているスタートアップ企業であるWinding Tree社のブロックチェーン・プラットフォームを使用した。
Hahn Air社はWinding Tree社のプラットフォーム上で、在庫をリストアップし、予約リクエストを管理する。予約手続きが完了すると支払いを受け取ることができる。
決済では、現金、クレジットカード、または仮想通貨(ETHまたはLIFトークン)で行うことができる。LIFトークンとは、Winding Tree社が提供するイーサリアム・ベースのトークンである。
手数料削減などのメリット
ブロックチェーン技術が航空券予約に関連してもたらすメリットは様々ある。
まず、同プラットフォームはオープンソースであるため、航空会社、旅行会社、流通システムなどすべての市場参加者が、簡単に接続し取引を行うことができる。
また旅行代理店など仲介者を必要としないため、手数料削減に繋がる。さらに情報はすべて、数百万のソースによって検証される分散型台帳に保存されるため、変更したり改ざんしたりすることも難しい。
Hahn Air社のセールスエンジニアリング責任者Frederick Nowotny氏は、「広く消費者に受け入れられるのは先のことでも、この技術が旅行業界にどのような可能性をもたらすのか調査し、モニターすることが今回の目的」と説明した。
旅行業界におけるブロックチェーン導入事例
近年は旅行業界でもブロックチェーンや仮想通貨の採用が始まっている。
今年夏には、仮想通貨取引所バイナンスが出資する豪州の旅行会社TravelbyBitは、仮想通貨で決済可能なアプリのベータ版をローンチした。
航空機やホテルを予約する時の支払いに、ビットコイン、ライトコイン、バイナンスコインの利用が可能になっている。
10月下旬、ブロックチェーンのスタートアップZamna社は、ブロックチェーンと生体認証技術を使用して空港のセキュリティチェックを自動化するために500万ドル(約5億4200万円)を調達した。
11月上旬にはイギリスの旅行会社、Alternative Airlinesは、仮想通貨サービスUtrust社と提携して、ビットコイン、イーサリアム、ダッシュ(Dash)など仮想通貨での決済環境を整えている。
参考:プレスリリース