暗号資産突如急伸、市場の予想を上回ったか

「クリプトらしい」一日再来

BTCの対ドル相場は4200ドル上抜けを巡り今週が「正念場」となると先日予想したが、相場は予想を遥かに上回るペースと値幅で同水準の上抜けに成功した。

2日の相場は、午前中4150ドル台からジリジリと上げていき、午前11時半頃に4190ドル台に乗せた。相場はこれまで節目の4200ドル周辺で反落していたことから、同水準が強いレジスタンスになると予想していたが、午後1時半過ぎに4200ドルを上抜くと一気に上値を追う展開となり、相場はおよそ一時間の間に4850ドル付近まで上昇した(coinmarketcap調べ)。

主要銘柄の2日の騰落率は、BTC:17.4%、ETH:19.1%、XRP:12.4%、LTC:25.5%、EOS:19.8%、BCH:40.9%となっており、ステーブルコインを除く時価総額トップ10の銘柄は2桁台の上昇率を記録し久しぶりに「クリプトらしい」一日となった(第1図)。

【第1図:主要暗号資産銘柄日次騰落率】

出所:coinmarketcapより作成

上述の通り、BTCの対ドル相場は4200ドル周辺で反落していたため、トレンドフォロワーは同水準周辺での値動きを固唾を飲んで見守っていたと考えられる。一方、海外取引所Bitmexで大量のBTCショートポジションがロスカットされたことを考慮すると、多くの市場参加者は先安観を持っていたと指摘され、まさに値幅も値動きの方向も想定外の相場となったと言えよう。

また、2日の終値(4879.88ドル)は、99.7%の確率で収まると言われるボリンジャーバンド3σ(4688.86ドル)をも上抜いており統計的にもある意味で異例と言える(第2図)。通常、相場が±2σのバンド幅の拡大を伴いブレイク(ボラティリティ・ブレイクアウト)すると強いトレンドが始まるサインともなる。しかし、流石に3σ以上の水準を相場が維持し続けることは難しいと考えられるため、近いうちに一旦押しが入ることが指摘される。

【第2図:BTC対ドルチャート】

出所:coinmarketcapより作成

今週はドル円相場や株式市場でも、先月末にかけての行き過ぎたリスクオフムードが相応に後退しリスクオンが優勢となっている模様で、暗号資産市場でもある程度リスクオンを誘発した可能性や、トルコなどの新興国勢の外貨買いに紛れ暗号資産が買われている可能性、さらに新年号発表で祝賀ムードとなったことなども要因として挙げられるかもしれない。

一方、新年号「令和」に込められた「秩序」や「調和」の意味とは若干かけ離れた状態にある英議会は、29日にメイ首相の離脱協定案を3度否決、本日には3度目の離脱代替案の採決を行う予定のようだ。次のデッドラインが来週12日に迫るなか、ブレグジットを巡る動向が今の暗号資産市場にどう影響するか注目される。


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