GWもBTCは堅調推移:相場は6000ドルの大台に乗せるか

BTCはGW中も堅調

ビットコイン(BTC)の対ドル相場は、ゴールデンウィーク直前の25日、テザー問題の再燃により約5%の下落率を記録するも、その後は堅調な推移となり上昇トレンドを維持している。足元では、4日と12日安値(4836.79ドル、4955.85ドル)と10日高値(5421.65ドル)を起点とする上昇チャネルの上辺を上抜けし、昨年11月14日ぶりに5900ドル台に乗せている(第1図)。

ETH、DASH、MKR、BCHなどの主要アルトコインの多くもGW中は堅調に推移したものの、BTCの市場ドミナンスはGW前より1.8%上昇していることから、USDTや一部アルトコインから引き続き資金がBTCに流れていることが指摘される。

【第1図:BTC対ドルチャート】


出所:coinmarketcapより作成

【第2図:主要暗号資産銘柄GW中騰落率】


※USDTを除く時価総額TOP21銘柄
出所:coinmarketcapより作成

また、今年3月にローンチされたCosmosのATOMトークンが30%近い上昇率を記録しているのに注目したい(第2図)。Cosmosはブロックチェーン開発のプラットフォームとなるが、その特徴は、プラットフォーム上のブロックチェーン同士が相互運用可能(interoperable)な点にあり、言わば「ブロックチェーンのインターネット」であることだ。

さらに、Cosmos自体は新しいネットワークではあるものの、既に実績を残している。一つ目は、先月ローンチされたバイナンス独自のBinance Chainである。同チェーンは、TendermintとCosmosのSDK(ソフトウェア開発キット)を駆使して開発されており、将来的にはBinance Chain上でイーサリアムのスマートコントラクトもCosmosを通じてサポートされるようだ。

この他にも、著名ユーチューバーがライブストリームを開始したことで話題となったDliveのLinoブロックチェーンもCosmosを駆使して開発されている。

尤も、足元のATOM相場の上昇は、28日に同トークンがバイナンスに上場されたことがきっかけとなっている模様だが、ICO市場が萎縮するなかで新しいブロックチェーンプロジェクトが実績を残していることは、業界にイノベーションが起き続けている確かな証拠と言えよう。また、実用的なブロックチェーンアプリケーションが開発されることで、それらのチェーン上に存在するトークンに実需を生むことも期待される。

BTC相場の見通し

先日の予想通り、BTC相場は6000ドルを目指す値動きとなっているが、この先もBTCとアルトコインのディカプリング(値動きの連動性が失われること)がBTC相場の支えとなりそうだ。尚、中期的な相場の上値上限も6000ドルと予想したが、こうしたディカプリングが想定以上に長く尾を引いており、6000ドルを上抜けする可能性も十分あると言えよう。

しかし、中期的にレンジ相場に落ち着くスタンスは依然保持する。主な理由としては、先日指摘したヒストリカル・ボラティリティの低さと、週足で相場が一目均衡表の抵抗帯(雲)下限に接近しているからだ。

週足の一目均衡表では、足元均衡表が好転しており、遅行スパンの好転も間近となっているが、雲に相応の厚みがあることからそのレジスタンスは強いと予想する(第3図)。よって、向こう1週間は相場に上昇の余地はあると言えるが、来週以降は上値の重い展開となることを予想する。

【第3図:BTC対ドルチャート(週足)】


出所:investing.comより作成


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