インドで規制により暗号通貨取引所が閉鎖を決断

インドの暗号通貨取引所のKoinexは規制が整わないことを理由に廃業することを決定した。Koinexの共同設立者のRahul Raj氏がブログで閉鎖までの経緯を明かした。

Koinexは2017年8月から営業を開始し4ヶ月後にはインドで最大の暗号通貨取引所へと成長している。2017年の12月には月次取引量が2.6億ドルに達している。

取引所の経営は順調に進んでいたが、2018年4月にインド中銀が金融機関に対して暗号通貨を活用した業者へ金融サービスを提供しないよう指示したことから、業務が滞り始めたという。

最高裁判所はインド中銀の金融機関に対する指示に違法性が見られるとの判断を下したが、Raj氏によると、銀行との関係が改善することはなかったとのことだ。Koinexの名義での銀行口座の開設が難しくなるなど、営業を続けることが次第に困難になった。 

インド政府はいまだ暗号通貨関連業者に対する明確なルールを制定していないが、Raj氏は近い将来に事業をスムーズに行えるような環境に変化することはないと判断した。

インドでは今月に入り暗号通貨の使用を禁止する動きがあり、新たに提案された法律が成立すると、暗号通貨を使用、保有、マイニングした人は最大で10年の禁固刑が課されるようになる。この動きを受けて暗号通貨の取引量は激減したという。

Raj氏は暗号通貨の送金・決済サービスも提供しようとしたものの、規制当局によりサービスの差し止めを求められたことも明かしている。

「私達はインドにおける暗号通貨とブロックチェーン業界の発展の可能性について熟考し営業を停止することを決めました。残念ながら近い将来に業界が好転するとは思えませんでした」

インド政府は暗号通貨に対して強い警戒感を持っており、先週発表されたFacebookのlibraについてもサービスの提供が禁止される可能性があるとメディアでは報道されている。

Koinexの取引サービスはすでに停止しているが、ウォレットは7月15日まで提供される。インドでは先月、取引所のCoinomeも廃業を決めており、インドは暗号通貨関連業者にとって最も厳しい営業環境を強いられている場所であるようだ。


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