「ブロックチェーンは英銀行を破滅させ、納税を無くし得る」マッキンゼー顧問が警告

ブロックチェーンの弊害とは

コンサルティング企業最大手マッキンゼーのロンドン支社でシニアアドバイザーを務めるJohn Straw氏は、ブロックチェーンが英国の銀行を破滅させる可能性があると警告している。メディアの「Computing U.K.」が主催したクラウドやインフラ関連のイベントでの発言だ。

プロフィールによれば、Straw氏はIT最大手IBMでもシニアアドバイザーを務めている。

特に、個人や企業からの税金の徴収に影響を及ぼし得ると考えている。誰かがブロックチェーンを活用してP2Pの金融システムを開発した場合、それはお金の貸付システムとして機能するので、銀行が必要なくなるとも説明。

さらにStraw氏は「銀行がないということは中心となる清算機関がないということだ。となると、税金を払う必要がなくなる。国民保険サービス(NHS)も機能しなくなるのではないか」と語った。英国のNHSは税収などを財源としており、原則無料で国民が医療機関を受診できるサービスだ。

またブロックチェーンは多くの点で「民主主義キラー」になるとも話した。フランスやドイツが、フェイスブック主導の仮想通貨リブラを排除しようとする考えにも賛成している。ブロックチェーンは、税金を徴収する機関に取引を追跡できなくさせると、その理由を説明している。

しかし一方で、ブロックチェーンのスマートコントラクトには「少し喜びを感じる」という。取引の高速化や送金の自動化を実現できること、契約の自動執行によって弁護士が不要になることを評価の根拠として挙げた。

関連日本政府が閣議決定、政治家への仮想通貨・個人献金は「規制対象外」