欧州中央銀行理事、BISのデジタル通貨開発グループ責任者に 『技術を最大限活用』

ECB理事がBISへ加入

間もなく任期満了となる欧州中央銀行(ECB)理事のBenoit Coeure氏が、国際決済銀行(BIS)の新しいイノベーションハブを指揮することが分かった。

BISは「各国中央銀行の中央銀行」と称される。11日にBISが行った発表によると、Coeure氏は1月15日に組織に加わる。主な職務は、中央銀行に影響を与える技術の重要トレンドの理解・活用の指揮だ。契約期間は5年である。

BISの幹部Agustin Carstens氏は「技術革新は、多くの分野に変化をもたらしている。決済する人、またそれに関わる人に大きな恩恵を与えることができる」と語っている。

BISは今年6月にイノベーションハブを設立。中央銀行のコミュニティを形成し、革新的な金融テクノロジーにおいて国際的な連携を推進することが目的だ。先月には、スイス国立銀行(中央銀行)がBISと契約を締結。ブロックチェーンを活用したデジタル通貨のリサーチを行うハブセンターをスイスで運営する。

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Coeure氏は、2012年1月からECB理事会のメンバーを務めており、任期は12月31日に満了となる。今回の発表についてCoeure氏は、「BISに加わることを非常に嬉しく思う。急速に技術が変化しているこの時代に、自分の専門知識を国際的な中央銀行のコミュニティで活かせるのを楽しみにしている。我々は金融の安定化と金融包摂の促進のために、技術を最大限活用しなくてはならない」と語った。