INGが仮想通貨カストディサービス開始か
9800億ドル(約107兆円)超の資産を保有するオランダの最大手銀行INGが、ライバルの多い仮想通貨カストディ市場への参入を計画していることが分かった。ロイター通信が報じた。
情報筋の話としてり、INGは現在、顧客が仮想通貨を安全に保管できるようにするための技術開発に取り組んでいるという。
本プロジェクトはまだ初期の段階。最終的には安全な仮想通貨ストレージ(保管)を提供することだとしている。
「資産に裏付けられたトークンやネイティブセキュリティトークンといったデジタル資産のサービスに対する需要が高まっている」と述べ、 この領域でチャンスが拡大すると見ているという。
INGは今年9月、「今でも現金が最も人気がある。仮想通貨が普及するには、利便性や価値、信頼性を証明する必要がある」との考えを明かしたばかりだ。「仮想通貨が主流になるには、技術を改良する必要がある」とも説明しており、カストディを含め、派生モデルの構築の必要性を示していた可能性がある。
従来の金融企業が仮想通貨業界に参入する例は増加している。
米老舗金融サービスのFidelityは昨年、機関投資家に仮想通貨のカストディやトレードのサービスを提供するため、デジタル資産部門「Fidelity Digital Assets」を立ち上げた。Fidelity Digital Assetsは今年11月、ニューヨーク州の顧客にもサービスを提供しようとニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から信託ライセンスを取得した。
野村ホールディングスは、Ledgerとパートナーシップを組み、仮想通貨のカストディサービスを提供へ向けて準備を行なっており、来年に開始する予定だ。
またドイツでは、銀行がカストディを含む仮想通貨サービスを提供できるようになる法案が議会で可決。2020年1月にも正式に法制化される可能性がある。