日銀副総裁がCBDCについて発言
日本銀行の雨宮正佳副総裁は30日、技術が発展して需要が高まるのであれば、日銀はデジタル通貨発行の準備をしなくてはならないと語った。ロイターが報じた。
副総裁は、「技術革新のスピードは非常に速い。決済システムの環境によっては、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)に対する需要が日本で急速に高まる可能性がある。日銀はその時、需要に応えなくてはならない」と述べている。
雨宮副総裁の発言は、これまで報じられている日銀幹部のCBDCに対する発言の中では最も強いものだ。副総裁は、これまでデジタル通貨の発行に関心を示してこなかった。つい最近では、「CBDCが民間の預金に利用されると、商業銀行の信用経路が弱まる。経済にも悪い影響を与える」と語っていた。
今回雨宮副総裁は、日本はデジタル円を即座に発行する計画はないとする一方で、金融政策への影響など、複数の要素を精査する必要があると語っている。
日銀はすでにデジタル通貨の研究・発行に向けて動き出している。21日にも、イングランド銀行やスイス国民銀行など5つの中央銀行や国際決済銀行とともに、CBDCの発行や利用例について共同研究を行うために、新しい組織を設立すると発表した。
また自民党も、CBDCについて今年春にも提言をまとめ、政府に対応を促すために動き出している。法整備の必要性やCBDC発行に向け中国が先行している現状を考慮し、独自の対策を始めた。