- ブロックチェーンプロジェクトの25%を中国が占める。
- 中国で進んでいるブロックチェーンプロジェクトの総数が、世界中のプロジェクトの25%を占めていることが報じられた。アリババやテンセントを始め、
ブロックチェーンのプロジェクト数で中国が先行
中国で進行中のブロックチェーンプロジェクト数が、昨年11月時点で世界一となる263にも及ぶことを、China.org.cnが報じた。
同報道では、北京に拠点を構えるサービスプロバイダーのBlockdataのデータが引用されており、中国発のブロックチェーンプロジェクト数は、世界中のブロックチェーンプロジェクトの内、約25%を占めるという。
また、中国のメディアIPRdailyによると、2018年の企業別ブロックチェーン関連の特許取得数ランキングトップ100において、57の中国企業がランクインしている。
1位はアリババで、僅差で2位にIBMが続く。
中国の巨大テック企業たちも、それぞれブロックチェーン産業でイニシアチブを取ろうと動いている。
アリババは、2016年からフードや福祉といった分野でブロックチェーンを利用してきており、去年の8月にはテンセント(特許数で8位)と深セン地方税務局が、中国で最初のブロックチェーンを利用した電子請求書が発行されたと告知した。
なお、中国のシンクタンク(研究所の類)EO Intelligenceの12月のレポートによると、中国のブロックチェーン企業615の内、82%が2016年から去年の間(3年間)に設立された企業だという。
このことからも、中国におけるブロックチェーン産業の勢いが窺える。
ブロックチェーン関連企業のハイパーチェーンのCTOであるLi Qilei氏は、金融サービスは資産の証券化といった分野の技術の最も大きなユーザーになっていると述べた。2016年に創業したハイパーチェーンは、企業や政府向けのソリューションとして同名のハイパーチェーンというブロックチェーンプラットフォームを提供してきた。2018年にはシリーズBラウンドで、およそ2億3400万ドル(約250億円)の資金調達を完了している。
一方でブロックチェーンはいまだ成熟した技術とは言えない。成都市南西のファイナンス・エコノミクス大学ブロックチェーンリサーチセンターのアシスタントディレクターのKang Li氏は以下のように指摘している。
ブロックチェーン産業はまだ開花を始めた段階であり、さらに多くの企業があらゆる種類のブロックチェーンを考え付くことができる。しかし、彼らはアプリケーションサービスやサポートコンテンツの明確なアイデアを描けていない。
「仮想通貨」禁止範囲拡大中の中国
一方、中国でICO、STOが違法とされていることが、技術発展の阻害要因になるのではないかとの懸念も存在する。
中央銀行である中国人民銀行の副総裁Gongsheng Pan氏は、昨年の12月に、専門用語がどんなに凝ったものになろうとも、ICOやSTOといったものは基本的に違法であると発言した。
実際、中国の北京IFIA協会(インターネット金融産業協会)は3月21日、「仮想通貨・ICO・STO・ステーブルコインに関する違法金融活動を防止するために」と題した警告通知書を公開した。
IFIAはこの警告を通じて、新たにビジネスモデルとして誕生した資金調達方法であるICOやIEO商法や、STOの発行、また価格安定通貨を指すステーブルコインに関する新たなリスクを規制当局および国民に提示している。なお、これらの金融活動に対する取り締まりは、3月21日より法的な規制範囲として有効になっている。