ブロックチェーンを導入した予約システム
地域ブランディングも手がける合掌ホールディングスは27日、世界遺産に登録される岐阜県大野郡白川村の「白川郷」の合掌造民宿に、ブロックチェーンを活用した宿泊予約システムを導入したことを発表した。
同社は今回の導入において、台湾を拠点にするテクノロジー企業OwlTing Japanと協業。電話とFAXのみの受付だった予約をデジタル化し、業務の効率化を進める。民宿の良さである人情を味わってもらうため、接客に多くの時間を費やせるようにする狙いだ。
白川郷には国内外から年間170万人超の観光客が訪れる。合掌造民宿は外国人観光客からも人気が高い。しかしこれまで予約方法が限られ、その管理を紙で行っていたこともあり、オーバーブッキングやダブルブッキングなど様々な問題が発生していた。
また海外からの観光客には電話やFAXでの予約は難しく、他の施設に宿泊客が流れてしまう問題も発生。年配の管理者が多い民宿では、既存の予約システムや楽天トラベルのような宿泊予約プラットフォームを導入しても、継続的な運用ができなかった。空室が把握しづらい状況の中で、合掌造民宿の従業員は業務時間の大半を電話・FAXでの予約管理に費やしていたという。
そこでOwlTing Japanと組み、ブロックチェーンを活用してIT化を進め、接客に多くの時間を割くことができるように計画を進めてきた。Owltingグループは「OwlNest(オウルネスト)」というブロックチェーンを活用した予約システムを提供している。業務の効率化やコストダウンを可能にする宿泊施設向け管理システムだ。
OwlNestは「自社予約システム」「在庫管理システム」「サイトコントローラー」というそれぞれ契約が必要な機能を3つ全て搭載している。イーサリアムの技術を利用し、スマートコントラクトによって、1人で運用することもできるという。
今回合掌ホールディングスは、OwlTing Japanの力を借り、「紙の台帳」からブロックチェーンを活用した「スマホ・タブレットの台帳」での予約管理を実現。業務効率を向上させ、継続的な運用の実現を目指す。
今後は滞在したくなる仕組みを増やし、白川郷のブランドマネジメントを展開していくという。
参考資料 : 合掌ホールディングス