仮想通貨HIVEが誕生
Steem(STEEM)の敵対的ハードフォークで新たに誕生した仮想通貨(暗号資産)Hive(HIVE)が、順調な滑り出しを見せている。
HIVEは、コミュニティが主導してSteemを取り巻く現環境からの脱却を目指して誕生した新通貨。20日にハードフォークを成功し、既に大手仮想通貨取引所Bittrexなどで取引が開始されている。
注目を集めたのは、STEEMの価格を新たに誕生したHIVEが上回った点。STEEMが20円前後で推移しているのに対し、HIVEは今週に入り約25円まで上昇した。
HIVEのサプライがデータサイトで反映されていない状況。一方、ハードフォーク時のスナップショット対象となった創業者報酬(約20%)以外の通貨を対象としたケースで価格が算出されている場合も、コミュニティ主導の通貨に高い価値がついたことは注目の事例になるだろう。
なお、BittrexにおけるHIVEの24時間の出来高は、STEEMが4万9500ドル(約550万円)なのに対し、2万8500ドル(約317万円)まで迫っている。
ハードフォークを提案したHive.ioチームもローンチの成功を報告すると共に、Bittrexへ上場したことや多くのdAppsが稼働していることを伝えている。
It’s been a wild 24 hours
— Hive.io (@hiveblocks) March 22, 2020
– We have had a successful launch
– A major listing announced through @BittrexExchange
– Many dApps already up and running
And we are only getting started… #Hive #blockchain #Crypto $HIVE
Check out our recap https://t.co/iHy0nMAXCW pic.twitter.com/Q0UPvJxLtX
HIVEは敵対的ハードフォークによって生まれたが、その対立は、仮想通貨TRONの創業者であるJustin Sun氏がSTEEMを大量に保有したところから始まった。STEEMのコミュニティが、非中央集権的な仕組みが損なわれることに懸念を示し、チェーンの主導権を巡って対立。その後20日にハードフォークを行い、2つの通貨に分岐することになった。
互換性のない2つの仮想通貨に分岐するハードフォークは過去にもビットコイン(BTC)などで行われてきたが、新しく生まれた通貨が元の通貨の価値を上回った事例は極めて珍しい。
今後のHIVEについて、問題の修正や新たな機能追加のためにアップグレードを行うことなど、早速いくつか計画が発表されている。発表ではHIVEの目的について、真の非中央集権的なコミュニティを確立することだと強調した。
現在は他にもHIVEの上場を検討している取引所があるという。またエアドロップの計画を進めている取引所も6箇所ある。先週にはバイナンスが今回のハードフォークに対し、対応を発表している。
関連:Steemのハードフォークと新通貨付与、バイナンスが対応発表
参考資料 : Hive.io