イランが金を裏付け資産とする暗号通貨の発行を計画

イランが金に紐付いた独自の暗号通貨を発行する計画があることを地元メディアが報じた。イラン中銀が承認しておりアメリカからの経済制裁をかわす狙いがあるとみられる。

経済制裁を受けるイランでは金融システムが機能しておらずビットコインのマイニングが盛んに行われている。一方、多くの暗号通貨取引所はイランからの利用を禁止している。

イラン政府は民間で行われるビットコインのマイニングに懸念を示しているが、今のところ違法ではない。イランでは政府が電力を安く供給しており、マイニングに電力が使われることを快く思っていない。

一部報道ではビットコインのマイニング機器の輸入を制限する動きがあると報じられている。

イラン人がビットコインのマイニングを行う理由は、イラン・リアルの価値の減少を懸念しているからだと推測される。通貨安によりイランのインフレーション率は40%に上り、IMFの予測では2019年の経済規模が前年比で約6%減少するとされている。

イラン中銀が金を裏付け資産とする暗号通貨を発行する背景にはイラン・リアルの価格の減少があり、信用が毀損した法定通貨の代替になるものが必要だと考えている。

価格が下落する法定通貨の代替として金に紐づく新たな通貨を発行する動きは、ハイパーインフレに見舞われるベネズエラでもみられる。今後も通貨が弱い国が金のような現物資産に紐づく暗号通貨を発行する流れが続く可能性は高い。


EN Mehr News
Reuters