イベント通過でBTC/JPYは反発続伸、元安再加速で投機買い誘発か

ネックライン周辺での攻防に注目

先週のBTC/JPY相場は、7月30日に米上院銀行・住宅・都市問題委員会による規制関連の公聴会を通過したことで安心感が生まれ、上値を模索する展開となり13%高を記録。前週(7月22日から28日)と比較して出来高の水準も若干ながら増加し、堅調な推移となっている(第1図)。

31日には、LedgerX社が現物決済のBTC先物の取引を開始したとの報道で上昇に拍車がかかったが、後日、同社がCFTC(米商品先物取引委員会)から承認を受けていないと報道され、市場に混乱を呼んだ。しかし、米トランプ大統領の対中追加関税第4弾の発表で8月1日から2日にかけて元安が加速、さらに2日にはマネーグラム社がリップル社のxRapidの運用開始を発表するなど、暗号資産(仮想通貨)市場にとっては好材料が重なり相場は勢いづいた。また、本日には、実に11年ぶりに人民元が1ドル=7元の最終防衛線を超え、BTC/JPY相場もそれに反応し更に一段高とし、足元120.8万円周辺で推移している。

短期的に相場は上昇しているが、中期的には方向感がはっきりしていないため、実際に中国勢が資産防衛目的でBTCを買っているかには疑問が残るが、こうしたことを想定した投機筋の買いが相場を押し上げていると指摘される。

XTZ、BTC、LINK、XMRを除いては、先週の主要銘柄の対ドル相場は小幅に高安まちまちのパフォーマンスとなったが、全面安であった前週と比較して全体的に持ち直していると言えよう(第2図)。XTZは、コインベース効果の恩恵を受け対BTCでも週次で41%高となったが、主要アルトコインは概ねBTC高となり、BTC人気が再び加速している(第3図)。

勢いに乗るBTC/JPY相場だが、本日は重要なチャートポイントの上抜けを試す展開となっており、本日の終値が注目される。相場は、7月17日と28日に100万円周辺で反発しダブルボトムを形成(第1図内青丸)。本日は同月20日高値(119.8万円)を起点とするネックラインを挟み込む値動きとなっており(第1図内紫線)、終値が出来高の増加を伴いネックラインの上抜けに成功すれば、パターン完成となり確度の高いリバーサルサインとなるだろう。その場合の目標地点としては、チャネルライン上辺(およそ128万円から130万円周辺)と想定する。

第1図:BTC/JPY、4時間足 出所:bitbank.ccより作成

第2図:主要暗号資産銘柄対ドル週次騰落率(7月29日〜8月4日)
ステーブルコインを除く時価総額上位20銘柄
出所:coinmarketcap.comより作成

第3図:主要アルトコイン対BTC週次騰落率(7月29日〜8月4日)
ステーブルコインを除く時価総額上位20銘柄
出所:investing.comより作成

テクニカル分析

BTCの対円相場は7日と30日移動平均線の上抜けに成功。しかし、トレンドの方向を示す線の向きは短期(7日)で上向きだが、中期(30日)では横向きとなっている。ボリンジャーバンドでは、先週、相場がセンターラインの上抜けに成功。足元では相場上昇に伴いバンド幅の拡大も確認され、強気相場が継続しやすい状況と言えよう。一目均衡表では、先週の三役逆転は弱気の騙しとなり、相場は雲の中まで戻している。雲の中では揉み合いとなりやすいだろう。

第4図:BTC対円チャート(日足) 出所:bitbank.ccより作成

BTC対円の週足では、相場が7週移動平均線の上抜けに成功。各線とも上向きとなっており、短中長期で上昇相場を示唆している。ボリンジャーバンドでは、先週はバンド上辺が折り返し始めていたが、相場が持ち直しバンド上辺も上向きになった。これにより、足元では相場が上昇しやすい状況と言えよう。一目均衡表では、三役好転を維持。相場は転換線の上抜けにも成功している。

第5図:BTC対円チャート(週足) 出所:bitbank.ccより作成

PDFリンク
イベント通過でBTC/JPYは反発続伸、元安再加速で投機買い誘発か


免責: BTCNは仮想通貨・ブロックチェーン情報の提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。また、BTCNおよびビットバンク株式会社はBTCNで発信する情報の内容について、一切の保証や責務を負わないものとします。投資の判断や意思決定に関しては、BTCNの各利用者ご自身の責任において行って下さい。
情報開示: BTCNは、仮想通貨取引所「bitbank」を運営するビットバンク株式会社が運営しています。