リセッション懸念のリスクオフ波及でBTC急落 110万円周辺で神経質な相場展開に

Bakktローンチ日発表後もBTCは上値重い

日本では三連休の最終日から始まった先週のBTC/JPY相場は、7月17日安値(98.4万円)と28日安値(99.8万円)を起点とするダブルボトムのネックライン(第1図内紫点線:119.8万円)での揉み合いの末、連休明け13日から急落を開始した。13日には、米トランプ政権が9月1日発動予定の対中追加関税第4弾の内、一部の消費財への発動を12月まで先送りにすると発表したことで米主要株価指数が反発するなか、暗号資産は逆行安となった。しかし、14日に米長短金利で逆イールドが発生すると、リセッション突入への懸念から株は反落。リスクの大きい暗号資産市場にもリスクオフは波及し、13日から15日にかけて市場時価総額は3.4兆円ほど一気に吐き出した(CoinGecko.com調べ。午前9時時点のデータ)。

BTCは15日、対円で節目の100万円付近で反発し、翌16日には110万円台まで戻す底堅さも見せ、週末には相場が続伸となるか注目されたが、今回の反発は空売り筋の買い戻しによる一時的な反発だったせいか、買いは続かず110万円を挟み込む値動きで様子見ムードが広がっている。日本時間16日深夜には、ICE(インターコンチネンタル取引所)が手がけるBakktのカストディーとBTC先物が承認を受け9月23日にローンチ予定との重大発表もあったが、買いは続かず、週明けも上値の重さは健在となっている。Bakktのローンチは昨年から大いに期待されていた注目材料であったが、既存金融市場の混乱が暗号資産市場にも影響するなか、多くの市場参加者は週明けの米市場開場までポジションを取りにくい心理状況なのかもしれない。今週は神経質な相場となりそうだ。

第1図:BTC対円チャート(4時間足) 出所:bitbank.ccより作成

第2図:主要暗号資産銘柄対ドル週次騰落率(8月12日〜18日) 出所:coinmarketcap.comより作成

第3図:主要アルトコイン対BTC週次騰落率(8月12日〜13日) 出所:investing.comより作成

テクニカル分析

BTCの対円相場は、7、30日移動平均線を割り込み、足元90日線がサポートとなっている。先週は、7日線が30日線でデッドクロスを示現しており、短期的な弱気相場を示唆している。ボリンジャーバンドでは、相場は14日にセンターラインを割り込むも-1σで下げ止まっている。バンド幅は収縮基調にあり、新たなトレンド発生を示唆している。一目均衡表では、均衡表が逆転し相場は抵抗帯を割り込んでいる。

第4図:BTC対円チャート(日足) 出所:bitbank.ccより作成

週足では、相場は7週線を割り込み同線も下向きに転じており、短期的には弱気相場を示唆している。ボリンジャーバンドでは、バンド幅が収縮基調にあり4月からの上昇に一服感がある。一目均衡表では、依然、三役好転を維持しているが、先週は基準線がレジスタンスとなり相場が反落している。

第5図:BTC対円チャート(週足) 出所:bitbank.ccより作成

 

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