重要イベント通過も方向感示せず BTC/JPYは揉み合い続く

リブラ協会3社が離脱検討 通貨安競争にも仮想通貨は反応薄

先週のBTCは週明け19日から対ドルで1万1000ドル上抜けをトライするも、翌20日には反落。21日から22日にかけては心理的節目となる1万ドル周辺で揉み合いにとなったが、23日のジャクソンホールでパウエルFRB議長が9月中旬の米連邦公開市場委員会にてさらなる利下げ検討を示唆すると、相場は1万400ドル台(対円で110万円台)に乗せた。しかし、その後買いは続かず、予想通り相場への影響は軽微だった。また、ジャクソンホール2日目(23日)のトリを飾ったマーク・カーニーイングランド銀行総裁が、世界の準備通貨として君臨する米ドルをリブラのようなグローバルなデジタル通貨が代替するべきと驚きの発言をしたが、リブラ協会創業メンバーの内、3社が離脱を検討しているとフィナンシャルタイムズが報じ、相場は再び1万ドル周辺まで下落した。

24日から本日にかけてフランスで開催されているG7サミットの直前には、米中追加関税の応酬が再び加熱し週末のNYダウや日経平均先物は急落した。米中貿易摩擦激化の影響で金相場は23日から急伸し、週明けもさらに一段高となっている。一方のBTC相場は、週末は小幅の推移で動意に欠ける展開となったが、本日午前9時台には反発し足元110万円周辺で推移している。午前10時台には、人民元が2008年3月ぶりに1ドル=7.1元を割り込んだが、BTC相場の反応は薄く、朝9時台の反発後は上値を重くしている。

現安に加え、米国をはじめとする先進国・地域の追加利下げ見通しの強まりで少しは仮想通貨市場に逃避資金が流れて来ても良さそうだが、やはりボラティリティーが高くリスクが大きいため、短中期的に方向感を示せない現状ではリスク回避マネーの受け皿にはなり難いだろう。

残りの8月は目立ったイベントもなく、今週も方向感の鈍い展開となりそうだ。

第1図:BTC対円チャート(4時間足) 出所:bitbank.ccより作成

第2図:主要暗号資産銘柄対ドル週次騰落率(8月19日〜25日) 出所:coinmarketcap.comより作成

第3図:主要アルトコイン対BTC週次騰落率(8月19日〜25日) 出所:investing.comより作成

 

テクニカル分析

BTCの対円相場は先週、7日、30日、90日移動平均線を割り込んだ。7日線は30日と90日線でデッドクロスを示現しており短期的には弱気推移となっている。30日と90日線は横向きとなっており、中長期の相場の流れは横ばいでトレンドがないことを示唆している。収縮傾向にあったボリンジャーバンドは、幅の広いまま推移。センターラインは下向きに転じ、相場も同水準より下で推移しており、弱気となり易いと言えよう。一目均衡表では、相場は雲を下抜いており均衡表が逆転している。本日の終値が8月1日始値を超えなければ、明日にも三役逆転(強い売りシグナル)となる見通しだ。

第4図:BTC対円チャート(日足) 出所:bitbank.ccより作成

BTC対円の週足では、先週は7週線に上値を抑えられる結果となった。同線は下向きで推移しており、短期的には下落トレンドを示唆している。90週線も上向きから若干折り返しているが、30週線は依然上向きで、現状では短期:弱気、中期:強気、長期:横ばいと言えよう。ボリンジャーバンドは収縮傾向にあり新たなトレンドの始まりを示唆。相場はセンターラインの上で推移しており強気となり易いと言えよう。一目均衡表では、依然三役好転(強い買いシグナル)を維持しているが、相場は転換線を割り込んでいる。

第5図:BTC対円チャート(週足) 出所:bitbank.ccより作成

 

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