仮想通貨ビットコインのハッシュレート高騰を受け、バイナンスCEOが強気の見解

急上昇したハッシュレート
仮想通貨ビットコインのハッシュレートが前月比30%高騰したことを受け、バイナンスのCZ氏は「上げ相場を見込むマイナーによる『投資』を示唆している、この後どうなるかは自明だ。」などと強気姿勢を見せた。

BTCハッシュレート、前月比30%高に

乱高下する仮想通貨市場であるが、ここ数ヶ月の間、ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は急上昇している。

Blockchain.comでハッシュレートの推移を確認すると、前月比30%もの高騰をみせ、過去最高の約1億TH/s付近まで到達していることが読み取れる。これは下落相場の真っ只中でマイナーが採掘を控えていた2018年12月と比較すると、約200%の上昇となる。

出典:blockchain.com

ハッシュレート上昇の背景にあるのは、市場環境の良化に加え、マイニングマシンの性能向上が大きな理由として挙げられる。特に8月上旬にBitmain社から発売された、最新型のマイニングマシン「S17e」の性能は64TH/sに達し、過去最高性能を誇っている。

関連ビットコイン(BTC)上昇要因か、採掘ハッシュレートが1億TH/sに迫る勢い|仮想通貨市況

より安全なネットワーク構築に繋がるか

ハッシュレートが高ければ高いほど、マイニングネットワークにおける複雑な”暗号解読能力”が上がり、マイニング報酬獲得の優位性を強めることができる。また、特定のビットコインマイナーが市場においてハッシュレートを独占しない限り、より高いハッシュレートは悪意ある攻撃の参入を難しくし、安全なネットワークの構築に繋がるとされている。

Blockchain.comの上記画像を参照してみると、今現在は18.9%でBTC.comが1位を占めているが、ビットコインのハッシュレートは特定のマイナーに偏らず、様々な大口マイナーに分散され、ネットワークがほどよく分散されていることが見て取れる。

しかし、より高いハッシュレートがより安全なネットワークを構築するという点に関しては疑問を抱く人物もいる。

TwitterユーザーのHasu (@hasufl) は、マイニング参加者が増えるのではなく、コンピューター性能の向上によってハッシュレートがより高くなるのであれば、それは依然として既存のマイナーがシステムに対して攻撃できる可能性を含有しているのではないか、と懸念を示した。

ハッシュレートは価格に影響を与えるのか

仮想通貨取引所バイナンスCEOのジャオ・チャンポン氏(以下CZ氏)は13日、「BTCハッシュレートの順調な上昇は、より多くのマイナーによる『投資』を示唆しており、彼らは上げ相場がこの先も続くと考えていることに他ならない。であれば、この後どうなるか分かるよね?」といったツイートを投稿。改めて”強気姿勢”を鮮明にした。

このツイートに対し、仮想通貨・経済事情に詳しいファンドマネージャーのDovey Wan氏は、「ハッシュレートの上昇は必ずしもビットコインのブル相場に繋がる訳ではない。」「ハッシュレートは、価格の遅行指標であって先行指標ではない」と発言。

「ハッシュレート上昇は、その分電気料金も高くなることから”売り圧”に繋がる恐れもあり、BTCの半減期前に利益を出すことができなければマイナー達は危険に晒されることとなり得る。」と付け加え、CZ氏のツイートに対して反論を呈している。

参考:Bitcoin Hash Rate Looks ‘Parabolic,’ up 30% in a Month

CoinPostの注目記事

仮想通貨ビットコインマイニング収益急低下の現状:ハッシュレート大幅上昇などが要因に
仮想通貨ビットコインのマイニングコストは、9月半ばに約82万円と推定され、損益分岐点は4ヶ月で約15万円も増加していることが明らかになった。しかし9月下旬以降、要因の一つにあった「ハッシュレート上昇」に歯止めが掛かっている。
仮想通貨「最重要ファンダ」予定表:ビットコイン、リップル(XRP)、イーサリアム、ネム等【9/12更新】
バイナンスが9月12日、米国ユーザーのサービス停止を実施; Bakktがビットコイン入金および先物取引を開始するなどの重要材料。