ビットコイン相場巧者は売りポジションを撤収

※本コラムは2019年10月22日に公開されたものです。

ビットコインマイナーのヘッジショートポジションと価格の関係

10月19日前後、ビットコインの動向で幾つか気になるポイントがあったので、解説したいと思います。

マイナー(と想定される)ポジション動向について少し。

通常は、買い残高から売り残高を差し引いた数字を出しているのですが、今回は売りポジションに絞って見てみました。

もともとヘッジ売り需要が入るポイントを見るのが一つの目的なので、少し視点を絞った感じですね。結果的に、以下のような推移を確認することが出来ました。

※ 右軸が売り比率です。

視覚的にも、40%割れで反発上昇と60%越で反落のセットになっていることが分かります。

もちろんマイナーのヘッジショートポジションがビットコイン価格のすべてを決めるわけではないです。

とはいえ、毎日1800BTCという巨大な売り圧力を毎日市場に浴びせているプレイヤーが、どの値位置で売りを立てて、どこで回収をしているのかは参考になります。

過去40%を割ったのは以下の日時です。

  • 2018年9月11日と18日 6300->6600への戻し~続落
  • 2018年11月27日 3920 ->3960への戻し~続落
  • 2018年12月24日 4027 -> 横ばい
  • 2019年3月26日 3977 -> 8770までストレート上昇
  • 2019年10月15日(直近) -> 8300から「?」

個人的に上手いなと思ったのは12月24日です。

この日、WTI原油は42ドル台まで崩れ落ち、翌日は47ドル台へ復帰からストレートな上昇となっています。

後から振り返ってみれば、その日以降10/22時点までド底の底。

株価も同様の動きをしていることから、かなり相場観としては確かなものを持っているのでは無いかと感じます。

結局、ビットコインも2018年12月24日以降は下げきれず、最終的には売り手を踏みあげる形で3月26日の再度40%割れから一気に上昇へと舵を切ることとなりました。

なので今回も同じような動きに・・・なればいいですね。

オンチェーントランザクションから取引所へのコインの流入出を観測

また10月19日(土)に「くずれるか?」と感じたタイミングがありました。

19日の19時頃にレポートを書きながら横目で取引所への送金流出入金額を確認していたのですが、そのタイミングで25millionの流入超となっていました。

前回9000ドル台を維持できずに崩れ落ちたときも、20mil以上の流入が3日程度続いた後だったので、もう流石に持たないかと感じました。

結果的に流入がスパイクしたのは、Poloniex社が身売りをしたニュースが流れるとともに取引手数料ゼロの試作を打ち出し、その影響で一気に資金が流入したと判明。

参考

この時点でPoloniexへの流入が34mil。結局それを除けば流出超過、つまり足元は固かったということが分かります。

ということで、ビットコイン相場巧者が売りを手じまった今からどのような動きを見せてくれるのか。

お手並み拝見と行きましょう。

佐々木 徹( @CocostaGeekend

トレード教育者。暗号通貨・コモディティ・為替まで取引方法が学べる「ココスタ」の運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング戦略家。4,000名程の受講生をもち、「時間と収益を自分で作り出す人を増やす」をライフワークとする。「ビットコイン・ブロックチェーンスクール」では投資部門担当。英語圏向けYouTubeチャンネル「Bitcoin Geekend」では購読者が2,700名を超える。株式会社ファム代表取締役。