G20閉幕 共同声明で仮想通貨ステーブルコインにも言及

ステーブルコインのリスク評価を改めて強調

サウジアラビアのリヤドで開催されていた、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が23日で幕を閉じ、共同声明の中にはステーブルコインについても盛り込まれた。

声明では「グローバルなステーブルコイン」のリリース前に国際金融システムへの影響を精査する必要性を改めて表明。仮想通貨およびその他のデジタル資産に関して、国際的な金融規制機関であるFATF(金融活動作業部会)が求める基準の遵守を各国に要請した。

2月23日に発表された公式声明には、これまでの、「グローバルなステーブルコイン」の運用を開始する前にそのリスクを評価し、適切に対処する必要があるという立場を維持することが述べられた。

またG20は、FATFへの支持も再確認。他の国際的な金融組織からの報告を待つとした。

FATFは、マネーロンダリング、テロ資金調達、非人道的兵器への資金調達を防止するためのグローバルなAMLおよびテロ資金調達防止(CFT)の標準設定機関である。

具体的には、2020年4月に発行予定の「グローバルなステーブルコイン」の規制問題に関する金融安定理事会(FSB)からの協議報告書、また、2020年7月の、国際通貨基金(IMF)による加盟国における金融主権を含むマクロ経済的影響に関する報告書、同じく2020年7月に発表予定の、AMLおよびCFTのリスクに関するFATFからの報告書が挙げられた。

世界経済フォーラムも仮想通貨に注目

先月、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでも、ステーブルコインや仮想通貨に大きな注目が集まっていた。二つの大きな経済・金融会議で取り上げられていることは、仮想通貨業界の成長と、今日の世界でその重要性が増していることの証でもある。

ダボスの世界経済フォーラムでは、デジタル通貨のガバナンスの枠組みを設計するため、国際連合組織を設立したことも発表された。

ガバナンスは、ステーブルコインも対象にしており、デジタル通貨は金融包摂のための手段としても期待されているが、規制などガバナンスが確立されていなければ有用に利用することもできないと、設立の目的を説明していた。

デジタル通貨に関する効率性、スピード、相互運用性、金融包摂、透明性を強化し、デジタル通貨の利用において、公共機関と民間企業の両方をサポートできるように指針を定めるという。

Facebookが主導する仮想通貨リブラや、中国が中央銀行発行デジタル通貨(CDBC)を開発する計画を推進していることなど、近年仮想通貨を巡っては大きな動きが相次いでいる。

仮想通貨は規制当局にとっては新たな課題となっており、一方各国で中央銀行デジタル通貨を研究する試みも開始されている。