- 米CMEビットコイン先物の取引高が急上昇
- 米CMEのビットコイン先物取引の出来高が、4月1日の取引高と比較すると950%上昇するなど大きな急伸を見せた。この要因には大手デリバティブ取引所Cboeの最近の動向なども影響したと推測される。
CMEビットコイン先物の取引高が急上昇
米最大手デリバティブ取引所CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物取引の出来高が、先日の仮想通貨相場の高騰に伴い、大幅な伸びを見せた。
日本時間4月5日には、そのビットコイン先物取引の取引高は5億6300万ドル(約629億円)にまで達した。同取引所での全体取引契約数は2万2542で、1契約が5 BTCで取引されるため、総取引額は11万2710 BTCに相当する計算だ。
このような出来高から、米国の伝統的なデリバティブ取引所での大口投資家や機関投資家が動き出している可能性が高まっているだろう。
なお、4月1日の取引数は2162で、4月1日と5日の取引高と比較すると950%(およそ10倍)上昇している。
CMEのビットコイン先物が開始して以来、「仮想通貨の厳冬」を受け今年2月には過去最低の取引高を記録したが、4月2日より上昇を続けているビットコインの強気市場を踏まえて、先物市場への関心も回復しつつあるとされている。
先物市場の状況
先月14日には、ビットコイン先物を提供していた米大手デリバティブ取引所であるCboeは、2019年3月のBTC先物提供を行わない方針を発表しており、6月期以降の先物取引を一時的に停止することを発表 した。
一方、その翌日にはCMEはビットコイン先物契約を引き続き追加すると述べている。
CMEのビットコイン先物取引の継続は、同グループの月間出来高が昨年からCboeの取引量を上回っており、またCboeが継続して10億ドルを下回る状況が続いていたことを考慮すると妥当であると言えるだろう。
下図のように、紺色のCMEの月間取引高は常にCboeの取引量を上回っており、Cboeは2018年5月から継続して10億ドルを下回っていた。
なお、今回CMEのビットコイン先物取引の取引高が大幅に伸びている要因は、先日の仮想通貨価格の上昇だけでなく、Cboeとの競合の存在がなくなったことも影響したのではないかと推測される。
一方でCMEは、先物商品のプロモーションにも多くの力を注いでいた。CMEは競合他社が居ない機会を利用して、デジタル・アセットの先物市場のシェアを更に拡大する計画に力を入れているとの見方も広がっている。
なお、米国におけるビットコイン先物取引の提供を進めるNYSEの親企業が設立したBakktや著名大手企業が出資するErisXは先物に係る米CFTC(商品先物取引委員会)の承認に時間がかかっており、提供に至っていない。