PoS系通貨に関する新調査
仮想通貨市場の分析を行うMessari社がPoS系銘柄に関する分析レポートを発表。各自の市場供給量とステーキングのロックアップ割合、および価格変動との相関関係について分析した。
Despite the hype around PoS tokens aided by the launches of @Cosmos, @Tezos and Ethereum’s coming upgrade, the correlation between the % of liquid supply stake and price return YTD is fairly weak. pic.twitter.com/kwhZEE7Vnr
— Messari (@MessariCrypto) April 1, 2020
PoSとは「Proof of Stake」の略で、ブロックチェーンにおけるガバナンスモデルのひとつとなっている。このシステムでは、通貨をステーク(掛け金)することにより、報酬を得ることが可能になる。他の事例で例えると、ビットコインは、マイニングを通じた計算能力による承認プロセスを有したPoWのアルゴリズムを採用している。
今回のレポートでは、ステーキングを中心とする銘柄がどのように価格に影響を及ぼすかを調査したもの。ステーキング割合と価格変動との相関性を報告した。
以下のグラフが、今年の始めから今日までの価格変化と、全体供給量の内、ステークされるコインが占める割合を表したものだ。
上図を確認すると、それぞれの通貨が異なった特徴を持っていることが分かるが、調査書によれば、実際ネットワークでステーク(ロックアップ)されているコインの割合が40%を下回る銘柄は全て、価格が下がっていた点がわかる。
その理由については、ステークされる割合が少ない分、それが売り圧力となっていることが原因の一つと指摘する。
ただ一方で、ステークされる割合が最も多かった上位2つの通貨(SNXとATOM)は、最も価格を下げたものとなっていることから、一概にステークの割合が価格に影響しているとは言い難い。
推論の域をでないが、ステーキングの割合が高いケースでは、集権化の懸念のほか、マーケットの流動性にも大きく影響を及ぼすことで、薄商いの相場状況の懸念点にあがる可能性もある。
では、価格との相関関係が強い要素とは何か。レポートでは以下のように分析する。
プロジェクトの様々なリリースや発表と、仮想通貨市場全体の流れに、より強い相関性がある。例えば、ネットワークの利用価値の向上を狙い、Dashがオンチェーンデータ・コントラクトの立ち上げを発表した場合などがそれに該当する。
逆の例では、ATOMにおいて、コア開発者間での内輪もめが明らかになった経緯といったマイナスファンダとなった。
つまり、市場材料のことを意味する。
先月に、仮想通貨市場のみならず、多くの金融市場で急落が見られたが、そうした全体的トレンドや、各プロジェクトの進捗状況を伝える発表の二つがPoS系通貨の価格変動に大きな影響を与えていると結論づけた。
参考:Messari