中国マイニング禁止の思惑にも市場は反応薄

暗号資産マイニング禁止、本腰入れて取り締まりか

先週の急騰相場と比較して今週は週明けから上値を重くする銘柄が目立つ。9日の主要暗号資産銘柄の相場は下落が目立ち、ステーブルコインを除く時価総額TOP10銘柄では、バイナンスコイン(BNB)とEOSのみが小幅高となった(第1図)。

 

【第1図:主要暗号資産銘柄日時騰落率(4月9日)】

出所:coinmarketcapより作成

9日には、中国国家発展改革委員会(NDRC)が中国国内におけるビットコインなどの暗号資産マイニングの禁止を検討しているとロイターが報じた。NDRCは中国経済の研究や政策立案などに関わる機関で、その一環で推奨、規制、禁止すべき産業のリストを作り一般からの意見を募ることがある。

NDRCは今回、ビットコインなどの暗号資産マイニングを禁止(または「消去」)のカテゴリーに追加した。複数のソースによると、NDRCは5月7日まで本件に関する一般からの意見を募るようだが、禁止までのタイムラインが明記されていないことは、当局が即座にマイニングを排除したがっているサインだとも言われている。

中国当局はこれまでも地方自治体を通してマイニングを抑制する動きを見せていたが、中国国内でマイニングが行われるのは主に電気料金が格安な僻地が多く、電気料金収入目当てに目を瞑る自治体も多いようだ。しかし、NDRCが禁止を検討しているともなると、今度こそ本腰を入れて取り締まりが強化されるとの見方もあり来月7日以降のNDRCの動向が注目される。

仮に中国でマイニングが禁止ともなれば、国内のマイニング業者は海外移転か撤退を余儀なくされ、その際に保有する暗号資産を売って資金を拠出することなども想定されるが、現在は「検討中」ということもあってか市場の反応は薄かった。また、中国はこれまでも暗号資産に対し強硬な姿勢を見せていたため、市場ではそこまでサプライズとならなかった可能性もある。

BTC相場は揉み合う展開に、調整売り想定以下か

BTCの対ドル相場は8日から上値を重くし、9日は寄付きからすでに下落し始めていた(UTC基準)。本報道を受けて相場が著しく崩れることもなく、BTCの対ドル相場は1時間足で5200ドルを挟む値動きで三角保ち合いを形成している。日足では、8日より3日高値(5307ドル)付近で上値を抑えられる展開が続いているが、想定していたほど強い調整売りは確認されず横ばいとなっている(第2図)。

上昇トレンド後の相場の横ばい(ボックス、トライアングルパターンなど)は、通常、トレンドの休息期間や継続パターンと言われるため、相場が上昇トレンドに戻ることが期待される。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】

出所:coinmarketcapより作成


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