Chainalysis、BNBやGUSDなどをブロックチェーン監視対象に追加

ブロックチェーン上の取引データを収集し分析するChainalysisは、Binance Coin(BNB)、Gemini Dollar(GUSD)、Tether(USDT)、USD Coin(USDC)のモニタリングを新たに開始することを発表した。

Chainalysisはこれまで、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Bitcoin Cash(BCH)、Litecoin(LTC)などのブロックチェーンに対応していたが、今回の追加で10のブロックチェーンをモニタリングすることになる。

モニタリングでは、同社独自のソフトウェアを使用しマネロンなどの疑わしい取引が行われているアドレスから取引履歴を洗い出し、アドレスに関連がある個人を特定する。主な顧客はコンプライアンスを重視する金融機関、暗号通貨取引所、政府機関などだ。

Chainalysisがモニタリングするブロックチェーンを増やす背景には、政府機関からの需要の高まりがあるようだ。政府機関の暗号通貨に対する規制や監視が今後さらに強化される見込みだ。

Chainalysisによると、マネロン及びテロ資金供与対策を行う国際機関のFinancial Action Task Force(FATF)が近々暗号通貨に対する新たな規制を公表するとのことだ。FATFには、主要国を含めた世界の38の国と地域が加盟しているため、同機関の規制の影響は広範囲に及ぶ。

FATFは暗号通貨に対する規制のドラフトを今年2月に公表している。そのドラフトの一部に暗号通貨に関連するサービスプロバイダーは、ユーザーが外部へ送金する場合、送金相手の情報を取得し管理するよう求める文章が盛り込まれている。

この規制案に対しChainalysisのJonathan Levin氏は、FATFの規制のアプローチは現実的ではないとの見解を示している。ユーザーが暗号通貨を外部へ送金する場合のアドレスは無数に存在し、送金相手の情報をすべて把握することは難しいという。またモバイルウォレットのアドレスなどは個人情報と紐付けられていない。

FATFの規制案が実際に課されると暗号通貨取引所は運営できなくなり、多くのユーザーがDEX(Decentralized Exchange)に流れる可能性がある。その場合、規制当局は取引情報の把握がさらに難しくなるだろうとLevin氏は予想している。


Coindesk