BTC大幅反発:複数メディアの暗号資産報道は売り材料となるか

BTCは下に往って来いの展開で8000ドル周辺まで回復

BTCの対ドル相場は17日の午前11時50分から下落し始め、正午に差し掛かると一気に下げ足を速め、一時7000ドル周辺まで安値を広げた(coinmarkettcap調べ)。17日終値は7300ドル台に付けたが、相場は今年2月ぶりとなる6%以上の下落率を記録した。

海外取引所のBitstampにて大口の売り注文が行使され、これがパニック売りを誘発させたことが17日の相場急落の要因と見られているが、19日には相場が大幅反発し8100ドル台回復に成功。足元8060ドル周辺で推移しており、結果的に下に往って来いの展開となった。

主要アルトコイン相場も17日にはBTCに連れ安となったが、19日には連れ高となり、BTC相場に振り回される展開となった。

【第1図:BTC対ドルチャート(日足)】


出所:coinmarketcapより作成

【第2図:主要暗号資産銘柄対ドル週次騰落率】


出所:coinmarketcapより作成

BTC先物:ファンド勢ネットショートは大幅収縮

CFTC(米商品先物取引委員会)のCOTレポートによると、14日時点のファンド勢のBTC先物ネットポジションは、先週の-1412から-166とネットショートが大幅に収縮していた。先週からCBOEの限月が無くなっていたことから建玉残高が前回(5月7日)の6995枚から4447枚と大幅減になっているが、建玉残高に対するネットポジションの割合を指数化(COTインデックス)すると、現在は73.67%となり強気筋優勢を示唆している(第3図)。

一方、ネットポジションが一方向に極端に偏るとリバーサルのサインとなるように、以前COTインデックスが80%台に到達した際は、BTC現物価格は急落し弱気相場入ったことから、これ以上のネットショートの収縮は買い余力が少ないサインとなる可能性がある。

【第3図:COTインデックス(Leveraged Funds)】


出所:CFTCより作成

NHKのBTC価格急上昇の報道は上昇トレンド終盤のサインか

19日夕方のNHKニュースでBTC価格が「再び大きく変動」と報じられた。昨今では、他大手メディアや電車内の液晶広告でも同様の報道がされている。ダウ理論では、相場のトレンドには、「アキュミュレーション」、「パティシペーション」、「ディストリビューション」という3つの局面があるとされ、多くのメディアがこのような報道を次々とし始めると、トレンド終盤のディストリビューション局面に入ったサインとなる。

尤も、ダウ理論におけるトレンドの3局面は、1年以上続くメジャーなトレンドに適用されるため、昨今の報道が相場の大局的な流れを変えるか否かは判断し難い。しかし、こうした材料は、アキュミュレーション局面で市場に入った投資家にとって利益確定の絶好の機会ともなるため、相場が近いうちに調整局面に入るサインとなり得るだろう。

テクニカル分析

BTCの対ドル相場は、短・中・長期の移動平均線がゴールデンクロスを維持。200日線は上向きになり、相場が長期的に上昇トレンドにあることを示唆している。ボリンジャーバンドは、バンド幅を一定に保っており、バンド上限が収縮し始めるまで相場は上がりやすいだろう。一目均衡表では強い買いシグナルとなる三役好転を維持している。

【第4図:BTC対ドルチャート(日足)】


出所:coinmarketcapより作成

週足では、相場は先週、90週線を死守した。ボリンジャーバンドでは、引き続きバンド幅が拡大傾向にあり、今週も相場は上昇しやすいと言えよう。一目均衡表では、均衡表と遅行スパンは好転を維持しているが、抵抗帯(雲)の中では相場は揉み合いになりやすいだろう。

【第5図:BTC対ドルチャート(週足)】


出所:coinmarketcapより作成


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