LedgerX、現物受渡しのビットコイン・デリバティブ取引を開始

ビットコインのスポット取引や先物取引、オプション取引などのデリバティブ取引を提供するLedgerXが米国で初めて現物受渡しのデリバティブ取引を提供する。米商品先物取引(CFTC)が取引の提供を認めた。

現物受渡しの先物取引は、Intercontinental ExchangeのBakktも提供を予定しているが、ローンチの期日は発表されておらず、LedgerXが一足先に提供する見通しとなった。

米国ではビットコインの先物取引の取引量が増加傾向にあることが報じられており、需要の高まりが見られる。CMEは先週、過去最大の未決済建玉数である5311コントラクトを記録したことを報告している。この未決済建玉は約2.5億ドルに相当する。

CMEはビットコインの先物取引を2017年12月より提供を開始しているが、差金決済方式を採用しており、価格変動による差損益を現金で決済するため現物の受渡しは行われない。

現物の受渡しが実際に行われない差金決済方式の先物取引の現物価格への影響は未知数だが、今回LedgerXはデリバティブ取引の決済方法として現物の受渡しを採用するため、より現物価格への影響が大きくなると予想される。

LedgerXは取引を開始する日時は現在のところ未定であるとしたものの、アメリカで初めての現物受渡し方式を採用したデリバティブ取引の提供を目指していることを明かした。

LedgerXのJuthica Chou氏は以下のように語った。

「我々は暗号通貨市場において非常に良いポジションにいると思う。私達は機関投資家から個人投資家まであらゆるサイズの顧客にサービスを提供していくつもりです」

現物の受渡しはビットコインの秘密鍵を安全に管理するカストディアンサービスが必須であるため、デリバティブ取引への採用が見送られてきた。しかし今回はセキュリティ上の安全性が確保されたことをCFTCが認めた。

ビットコインは今週、約1年8ヶ月ぶりとなる1万3000ドルを回復しており、再び多くの注目を集めるようになっている。LedgerXのように新たなデリバティブ取引の提供が始まるなど、市場は徐々にではあるが確実に成長しつつある。


Coindesk