反転攻勢のビットコイン(BTC)が破竹の快進撃、複数の「上昇要因」を探る

再び高騰中のビットコイン(BTC)、上昇要因にアジア各国経済不安
つい先日、総悲観の中で一時100万円を割り込んだビットコイン(BTC)市場はわずか1週間で豹変した。米中貿易摩擦の再燃に起因するアジア各国経済不安など、仮想通貨高騰の背景を探る。

再び高騰中のビットコイン(BTC)、上昇要因にアジア各国経済不安

7月29日に総悲観の中で一時100万円を割り込んだビットコイン(BTC)だったが、わずか1週間で完全に風向きが変わった。120万円を再び突破するなど仮想通貨高騰の背景を探る。

中国人民元は、米中貿易摩擦の激化を背景に5日のオフショア市場で過去最安値を記録。韓国市場では、韓国ウォンが2017年1月以来となる1ドル=1200ウォン水準にまで下落した。

同じアジア圏では、香港の「逃亡犯条例」改正案を巡る大規模デモも終息の気配を見せず、中国政府が「悪の勢力」に対し、いつまでも黙ってはいない 」などと警告するなど泥沼化の様相を呈しており、実体経済への悪影響も懸念されている。

これに伴い、中国の管理下に置かれるリスクを嫌気する香港の富豪たちは、あの手この手で保有資産を国外に退避させ始めているとの指摘も多く、仮想通貨ビットコイン(BTC)や香港基盤の仮想通貨取引所Bitfinexが発行するステーブルコイン「テザー(USDT)」もこれに含まれるのではないかと考えられる。

FOMCの利下げなど米国をはじめとする金融緩和路線に対する、ビットコイン(BTC)のリスク資産としての側面に加え、米中貿易摩擦の再燃や英国のEU離脱問題、中東情勢、香港情勢など、地政学的リスクも枚挙にいとまがなく、株式市場に中長期的な先行き不透明感が台頭する中で、ビットコイン(BTC)のオルタナティブ資産としての側面も注目されている。

特にマザーズなど新興市場のゲームやバイオセクターを主戦場とするような個人投資家は、投機的なパフォーマンスとボラティリティを求めている節があり、大手ネット証券の1Q業績を見ても、この辺りの符号は一致する。

先日のSBI決算発表会では、世界的リセッションリスクの台頭などで投資意欲減衰の影響などを受け株式における証券事業の不振が鮮明となる一方、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するSBI VCトレード、およびマイニング事業を行うSBI Cryptoが、この第1四半期より大きく利益貢献したとし、SBI VCトレードは、第2四半期からSBI証券傘下になることが明かされた。

両社は第1四半期から連結業績に大きく貢献したが、北尾社長はデジタルアセット関連事業のさらなる収益拡大に向けて、さまざまな取り組みを推進することを表明。SBI VCトレードをSBI証券傘下に移管する理由は、金商法の改正を踏まえたもので、SBI VCトレードの新サービスの開発・提供やグループシナジーの強化を図るものだとしている。

テクニカル分析

現在のビットコイン(BTC)は、特に日足、4時間足で極めて強い形状にある。

4日13:00には約4万円幅の下落を見せたが、1h足雲上と75EMA(指数平滑移動平均線)で反発するようにして、下ヒゲを付けて半値戻しの陽線で切り返すなど買い意欲は旺盛だ。

懸念点はやはり過熱感で、1hRSIは140万円前後で推移していた約1ヶ月前の水準まで上昇するなど、短期的にはいつ調整が入ってもおかしくはないが、短期的に出来高も上昇傾向にあり強気のセンチメントが相場を後押ししていると見ることも出来る。次は、日足雲上限でもある12000ドル(127万円)〜上値抵抗線が厚くなる12270ドル(130万円)付近が意識されることになりそうだ。

ビットコイン(BTC)は7月の軟調続きの値動きとネガティブファンダの多さから、8000ドル以下にまで下がるだろうという”ある種の市場コンセンサス”が形成されていたが、続落を否定する先月末の強烈なスパイクボトムからの急反騰を皮切りに、反転上昇に転じている。

相場の重しになっていた、仮想通貨に関する米公聴会周りやテザー(finex)裁判などでもコンセンサスを下回るような悪材料は出ず、むしろアク抜けが意識された。大衆心理が下目線で固まるなかでの反転攻勢であり、押し目を作らず上昇していることで、断続的なショートカバーや持たざる心理(fomo:Fear of Missing Out)による現物の買い戻しが発生したことも否めない。

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