「米NYビットラインセンス」の廃止を求める訴訟、最高裁で審理へ

ビットライセンスの廃止を求める訴訟
米国ニューヨーク州で仮想通貨取引交換業を行うための認可「ビットライセンス」の廃止を求める訴訟が、最高裁判所へ上告。以前からビットライセンスを批判する声は複数上がっている。

ビットライセンスの廃止を求める訴訟

米国ニューヨーク州で仮想通貨取引交換業を行うための認可「ビットライセンス」の廃止を求める訴訟が、最高裁判所で審理されることになった。

本訴訟は、起業家Theo Chino氏と同氏の会社がニューヨーク州金融当局(NYDFS)に対して2015年に起こしたものだ。原告は先週控訴の申し立てをしている。

原告側の弁護士Pierre Ciric氏は、「NYDFSは独自にライセンス制度を主導し、州の立法府からの信任や命令なしにビットライセンスの付与を行い、ニューヨーク州の仮想通貨関連企業の成長を押さえつけている」と申し立てた。

また、「ただニューヨーク州で営業をするための認可にしては、申請者や認可を受けた企業にとって内容が複雑で、負担が大きすぎる」とも説明している。

訴訟内容によれば、ビットライセンスを取得するには5万ドル(約537万円)から10万ドル(約1075万円)が必要で、仮想通貨関連のスタートアップのほとんどが他の場所(州)で営業へのシフトを選択している現状があるという。本訴訟は10月14日に最高裁判所に上告される。

The Blockは本件に関するコメントを入手するために、Chino氏とCiric氏にコンタクトをとっているので、返事が来たら本内容を更新するとしている。

過去の経緯

今回の訴訟は、ビットライセンスが導入された2015年6月から4カ月後の2015年10月に行われた。この時、原告はビットライセンスは仮想通貨企業のビジネスを中止に追い込むと主張していた。

最新の情報では、Chino氏は日用品を購入するための手段として、ニューヨークの食品雑貨店とコンビニエンスストアが同氏の会社を通してビットコイン決済を導入することを望んでいているという。

Chino氏の会社は2017年8月にビットライセンスの申請をしたが、後にこの規制の大きな負担と、NYDFSが立法府の権限外で規則を作ることは行き過ぎであると認識。申請が保留になっていた2015年10月16日に本申し立てを行った。

ビットライセンスを批判する声

ビットライセンスを批判をする声は他からも上がっている。仮想通貨取引所クラーケンは、ビットライセンスを「他の合理的なもの」に代えるよう望んでいる。ブロックチェーン関連の非営利組織Coin Centerは以前、ビットライセンスは、ニューヨーク州における仮想通貨技術の発展の障害となる規定を含んでいると述べていた。

この時Coin Center研究部門のトップPeter Van Valkenburgh氏は、「ビットライセンスは仮想通貨企業と従来の送金業者や銀行の間に不平等な制度を作り出している」と語っていた。そして「ビットライセンスは、従来の金融企業には求めないような、サイバーセキュリティやマネーロンダリング対策を要請している」とも話している。