- 仮想通貨貸付サービスの特徴を比較したページを公開
- 業界最大級の仮想通貨情報統計サイト「CoinMarketCap」が、仮想通貨貸付サービスの特徴や利率を比較したページを開設。バイナンスら大手プラットフォームの情報を元に、31種類の仮想通貨のデータを掲載している。
仮想通貨貸付サービスを比較
業界最大級の仮想通貨情報統計サイト「CoinMarketCap」が、プラットフォームから提供された情報を元に、仮想通貨貸付サービスの特徴を比較したページを開設した。各商品を比較し、ユーザーが適したものを選べるようにすることが目的だ。
本ページは10月16日に公開され、ステーブルコインを含む31種類の仮想通貨の情報を提供している。BlockFi、Celsius Networkやバイナンスを初めとする仮想通貨貸付サービス大手からの情報を網羅した。ユーザーはプラットフォームごとの利益の年率や、利益を得るまでの最短期間などの情報を確認できる。
CoinMarketCapの戦略責任者Carylyne Chan氏はThe Blockに「今回のサービスの開発には、コンセプトの決定から公開まで約1カ月半かかった」と説明。利率の調査や、銘柄ごとの利率の将来性、従来の金融サービスとの比較から開発を始めたという。
銀行や他の金融機関がローンのサービスを行なっているように、仮想通貨業界の企業も同様のサービスを始めた。仮想通貨を預けるユーザーへ利率に基づいた報酬を提供し、証拠金取引やリスクヘッジ、また運転資本等にその仮想通貨を利用したい人々に貸付する。
仮想通貨業界の格付スタートアップ企業Graychainによると、貸付サービスは現在、およそ50億ドル(約5440億円)の市場価値があるという。The Blockは今年8月、Celsius NetworkとGenesisの2社が最も取引が多く、全体の65%を占めていると報じた。
利率をまとめたページという点では、先にLoanScanが情報を提供している。どのように差別化を図るかについてChan氏は「我々は利率の提供を仮想通貨領域全体の一部と考えている。貸付だけでなく利率にもフォーカスすることによって、デリバティブのような関連商品に関するサービスの提供へと今後つなげていきたい」と語った。
CoinMarketCapは利率を掲載する企業から料金をとっていない。Chan氏は、自社のメインのホームページと同様、広告を表示することによって収益化すると説明している。
自社資金で運営
CoinMarketCapは現在まで外部から資金を調達したことはない。自社の資金だけで運営しているとChan氏が説明している。「我々は現在も資金調達する予定はない。まだ自社の資金だけでやっていく」と語った。
CoinMarketCapでは30人のスタッフが働いている。昨年の今ごろは15人ほどで、さらにその前年は2人だった。今後スタッフは増やすとChan氏は話しており、特にエンジニアを増員する予定だ。
またシンガポールで来月、「The Capital」というカンファレンスを開催する。そこでは新しいサービスの発表が期待されている。Chan氏は詳細を明確には明かさなかったが、CoinMarketCapのユーザーがより深い体験をできるようなサービスを考えていると話した。
CoinMarketCapは今年6月、仮想通貨の正しい価格を提供するため、ITスタートアップ企業Hashtag Capitalを初めて買収している。