- 仮想通貨の不正流出事件で国内初検挙、18歳少年がモナコイン1500万円相当を搾取
- 警視庁は、サイバー攻撃で1500万円相当の仮想通貨モナコイン(9.3万MONA)を騙し取った疑いで、宇都宮市の少年(18)を電子計算機使用詐欺の疑いで書類送検した。匿名ツールを駆使した少年が特定された経緯が明らかに。
- モナコインとは
- 匿名掲示板(2ちゃんねる)発祥の日本発仮想通貨で、コミニュティ支持率の高さから関連サービスが充実している。2014年1月1日から流通開始しており、比較的歴史が長い。
仮想通貨の不正流出事件で国内初検挙、18歳少年がモナコイン1500万円相当を搾取
日本経済新聞の報道によると、警視庁は、当時のレートで1500万円相当の仮想通貨「モナコイン」をだまし取った疑いで、宇都宮市の少年(18)を電子計算機使用詐欺などの疑いで書類送検した。
昨年9月、仮想通貨モナコインのウォレットサービス「Monappy」からモナコインの盗難被害が発覚したことを受け、運営引き継ぎ中の株式会社IndieSquareは、旧運営者側の自己資本を持って被害総額約93,000MONA(1500万円相当)を補填に充てると告知した。
同年8月、「Monappy」にて、ホットウォレットに保管されていたサーバー上のほぼすべてのモナコインが盗難(不正出金)されるという事態が発生していたウォレット全残高の54.2%を保管しているコールドウォレット内のモナコインは無事だった。
「Monappy」は、モナコインのコミュニティから誕生したポータルサイトで、関連グッズを出品したり、投稿されたイラストに投げ銭したりできるサービスで、人気を博していた。
犯行発覚の経緯
サイバー犯罪対策課によると、少年はコミュニティーサイト「Monappy」のサーバーを攻撃する際、身元を隠す「Tor(トーア)」など複数の匿名化ツールを使用。受け取ったコインの送り先を隠すため、複数の取引データを混ぜ合わせることで取引者の透明性を抑え、仮想通貨の匿名性を高める技術・サービスである「ミキシング」プログラムも自作していたとされる。
しかし、ミキシングプログラムの不備や、接続履歴から匿名化ツールが無効な状態で接続した記録も発見されたことで、分散したコインの流れを丹念に追跡した捜査員が少年の身元を特定し、突き止めた。
なお、ロシアのセキュリティ企業Group-IBによれば、2018年1月に仮想通貨取引所「コインチェック」から約580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出した事件では、北朝鮮のハッカーグループ「Lazarus(ラザルス)」が関与していることが報じられている。