ビットコインの落ち込みに反してBakkt出来高
仮想通貨市場はこの1カ月間、弱気相場に直面しているが、2つの感想通貨関連企業は、BTC下落の恩恵を受けているようだ。
BTC価格は直近5日間で11%以上下落し、25日には直近最安値6,500ドル台にまで急落した。そのような市況にある中、The Blockがまとめたデータによると、米国で規制されているビットコイン先物市場の取引高は先週から急増している。
Bakktでは、月間の取引高が22日に2,735BTCに達し、前週比で約130%増加。同期間の未決済の建玉(OI)も150%増加している。
ライバルのCMEグループでは、22日に出来高が11,537BTCになり、前週比160%増加。CMEの大口OI(Open Interest:未決済建玉)は46にのぼり、先日比6%増となった。
ショートポジション増加の影響
原資産価格が急変動するとデリバティブの取引量が増加することが多いため、CMEとBakktの取引量急増は、別段驚くべきことではない。
出来高の増加は、ヘッジファンドがより大きなショートポジションを取ろうとしていることが原因で発生している可能性がある。米商品先物取引委員会のデータによるとヘッジファンドは11月12日の週に、セルサイド、資産運用会社、その他のグループと比べてショートに偏っていたことが明らかとなっている。
CFTCレポートによると、CMEビットコイン先物を取引するヘッジファンドのネットショートポジションは、ここ2週間で過去最高を記録した。
Path Trading Partnersの創設者であるBobby Iaccino氏はThe Blockに対し、「市場に賭けている投機家ではなく、ヘッジによってショートの増加が促進されていると考えている」と語った。トレーダーは資産についてのネガティブな見通しを表明するため、あるいはロングポジションのリスクヘッジのために先物でショートポジションを取っている。
ヘッジと投機の比率を推測することはできないが、大規模な保有者やマイナーは、短期的リスクだけでなく長期的価値を取引の手段として、また相関のない価値の貯蔵として見ているだろう。(中略)
我々の考えでは、供給には限りがあるため、大手企業は売りを望んでいない。
それでも、英国に拠点を置くトレーディング会社B2C2の創業者Max Boonen氏は、顧客のビットコインのネットポジションは「明らかにショートに偏っている」と25日に述べた。同氏によると、ファンドが下落に至るまでの数日間、ポジションはショートに転じた。「買いがあったとすれば、パリティが下回った時の(主にアジアからの)テザー買いだった。」
Bakktについて
2000年代前半にシティグループの電子取引インフラを構築した市場構造の専門家Dave Weisberger氏によると、Bakktの出来高増加は今後も続く可能性がある。CoinRoutesの創設者でもある同氏は以下のようにThe Blockに語った。
新しい市場は通常徐々に拡大していくが、「ホッケースティック(収益曲線)型」のパターンが現れることもある。つまり急騰を指す。
流動性が流動性を生み出すという古い表現もある。
そのため、新規取引所や新規契約の構築は遅いが、成功すれば急上昇する可能性を秘めている。
※訳注:「ホッケースティック型」は、先行投資の停滞が続いたのちの急上昇する収益曲線がまるでホッケーのステッキのように描かれる事を表す。地球温暖化論争から広く使われるようになった。