巨額ICOを行なったテレグラム、調達資金17億ドルの財務報告を拒否=米SEC

テレグラムが調達資金17億ドルの財務報告を拒否
米証券取引委員会(SEC)は、メッセンジャーアプリのTelegram(テレグラム)が2017年までに投資家から調達した17億ドル(約1800億円)の利用状況に関する財務報告を拒否していることを明かした。

テレグラムが調達資金約1800億円の財務報告を拒否

米証券取引委員会(SEC)は、メッセンジャーアプリのTelegram(テレグラム)が17億ドル(約1800億円)を調達したICOに関する財務報告を拒否していることを明かした。

テレグラムは大口の投資家を対象にしたプライベートセールで2017年3月までに17億ドル(約1800億円)を調達。SECが裁判所に提出した書類によると、投資家から調達した資金をどこで管理し、また何に使ったかを把握するための取引明細を明かしていない。

SECはテレグラム側に、改めて支出をしたプロジェクトとその支出額の詳細を報告するように求めるという。

2017年までの資金調達の際、テレグラムはSimple Agreement for Future Tokens(SAFT)という資金調達スキームを使って171人の投資家から資金を集めた。SAFTはICOに似た資金調達スキームで、米国証券法における「投資契約」と呼ばれる契約形態を使って特定の投資家から資金を調達するスキームだ。

テレグラムは、テレグラム・オープンネットワーク(TON)と呼ばれるブロックチェーンを開発するため資金調達を行ったが、このブロックチェーンネットワークは未だに実装されていない。TONはもともと2019年10月までに実装される計画だったが、テレグラムは最近、SECの訴訟を理由に計画通りの実装は不可能だと説明していた。

テレグラムはTONの実装期限を2020年4月30日に延長している。投資家らはこの延期に同意している模様だ。