テザーが需要急増で不足
仮想通貨(暗号資産)テザー(USDT)が、「イーサリアムのネットワーク上で6000万USDT(約65億円)分新規発行された」との報告が大口情報をトラッキングするBOTから行われた。
しかし、実際の時価総額には大きな変化はみられていない。(USDTは米ドルと1:1でペッグされているステーブルコインであるため、時価総額を確認することで供給量を計ることができる)
60,000,000 #USDT (60,083,960 USD) minted at Tether Treasury
— Whale Alert (@whale_alert) February 24, 2020
Tx: https://t.co/QkEDzKXPqr
これは、新規発行されたUSDTではないことが理由。Bitfinex兼Tether社のPaolo CTO今後の発行リクエストに備えた前準備であると説明する。
この新規発行を準備する動きは、今回で今月に入り3回目だ。一時は停滞していたUSDTの時価総額が大幅に上昇したのは、1月7日の1回に限られるが、より小分けのリクエストにも対応できる可能性がある前準備の動きを受け、USDTに一定の需要が拡大しているとの見方が再び強まっている。
USDT需要を指摘する声は多方から確認されている。また、市場高騰から仮想通貨のレバレッジ取引が盛んになる中で、高い利率が示されるUSDTの貸し出し金利もそれを裏付けるデータの一つにある。
中国メディア「星球日報」中国取引所のコメントを報道した中国メディア「星球日報」によると、USDT建の取引が盛んになっていることで、レバレッジ取引が盛んなタイミングで取引所内のUSDTが不足している。
USDTが不足しているというのは、レバレッジ取引が取引所に預ける資産以上の資金額の取引を可能にする仕組みであるため、充てられる資金の借り入れ需要が増加していることを意味する。
相場のボラティリティが高くなる中で、USDTを介したポジションを持つ投資家が増加し、Huobiやバイナンス、OKExなどでUSDTが不足。レンディングの金利が大幅に上昇値を示していたという。OKExでの買いポジションは、昨年10月に中国の習近平国家主席がブロックチェーン技術の開発を国策として推進することを発表した時の勢いを上回っていたようだ。
貸付プラットフォーム「RenrenBit」も、今年1月以降USDTのレンディングの利用が増加していることに言及。実際にUSDTが不足していることに触れているという。
レンディングサービスでは、金利を1日単位から時間単位に切り替え、取引を細分化することによって多くの投資家に需要に応えようとする動きも見られている。