仮想通貨市況
日経平均株価は、一時、前営業日比1,200円安の19,500円台まで急落。
外国為替市場ではドル円が一時101円台まで下げるなど、急激な円高・ドル安が進行した。リスク資産全般に投げが出たことで、ビットコイン(BTC)など仮想通貨市場も決壊、全面安に。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、各国の入国制限に伴う経済停滞への懸念が強まったほか、経済・金融の中心地である米ニューヨークでも「非常事態宣言」が発令、イタリアのミラノが封鎖されたことで金融市場のリスク回避姿勢が強まった。
直近の金融市場では、株式市場の暴落に伴う「追証回避」の換金売りにさらされ、リスク資産全般の下落に歯止めが掛からない状況が危惧されていた。信用買いポジションで証拠金(レバレッジ)取引を行なっていた場合、信用で買建てた銘柄の値下がりの含み損で、各証券会社に定められた信用維持率を下回ると、期日までに追加の担保(保証金)を預け入れる必要が生じる。
リスクオフが鮮明に
さらに、事態を悪化させたのが、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国との「追加減産協議」の交渉決裂だ。
世界最大規模の原油生産国であるサウジアラビアが減産協定から一転して増産体制に舵を切り、過去最大の日量1200万バレルを示唆。9日のニューヨーク原油先物は一時、1バレル30ドル台まで急落。1991年の湾岸戦争以降最大の下げ幅を記録した。
世界最大の天然ガス生産国である米国でのシェールガス採算割れが露呈すれば、債券市場に直撃。為替や株価などに悪影響をもたらす可能性が懸念される。
為替ストラテジストのエミン ユルマズ(@yurumazu)氏は、日経平均2万円割れのついて、「コロナ・ショックの直接的影響以上に、湾岸諸国がグローバル市場から資金を吸い上げる可能性」を指摘した。
景気後退が意識される局面でリスクオフ姿勢が強まったことで、現物債が買われたほか、金(Gold)が1オンス=1700ドルを上回り、2012年以来の高値に。
ビットコイン(BTC)動向
9日の仮想通貨ビットコインは、前日比10.6%安の82.7万円と暴落。
7日までに反転の兆しも見せていたBTCだったが、レジスタンスラインである9,200ドルのブルトラップを経て短期トレンドを転換すると、金融市場のパニックを背景にした投資家心理の悪化で下落幅を拡大。bitFlyer LightningのBTCFXでSFDに近い高水準を維持(スポット乖離が開いたまま)8,400-8,500ドルの直近安値を割り込むと、深夜〜朝方にかけて投げが加速した。
短期的な急落からオシレーターは売られすぎ水準を示しているが、株式市場を含めテクニカル無視の暴落が続くなど、値ごろ感で安易に飛び付けるような相場環境にはないため、当面の間は様子見基調が強まりそうだ。一旦の下値目処としては、サポートラインが厚くなる7700-7800ドルが意識される。
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断続的な大幅下落で、BitMEXでは計18,000BTC(154億円相当)に及ぶロスカットが発生している。
なお、海外トレーダーHsaka氏の報告によると、Bitfinex主導で10万ドル規模の売却が断続的に行われていたことも確認されている。
Finex has been unloading like a gatling gun today.
— Hsaka (@HsakaTrades) March 8, 2020
Non stop 100k market sells since the daily open. This screenshot is just of the past 5 mins. $BTC pic.twitter.com/6pKkTD0b9o