米IBM、ブロックチェーン活用のID認証システムをブラジルの銀行へ導入

IBMの銀行用ID認証システム
IT大手のIBMのブロックチェーン技術がブラジルの銀行でID認証システムに導入されることが判明。金融犯罪・金融システムの悪用防止への貢献が期待される。

IBMが銀行のID認証にブロックチェーン導入

IT業界の大手IBMがブラジルの銀行を対象に、ブロックチェーンを活用したID認証システムを提供することがコインテレグラフ・ブラジルの報道で明らかになった。Linux財団が提供するHyperledger Fabricのブロックチェーンプロトコルを採用する。

「デバイスID」と名付けられた今回のID認証システムにはすでに9行の銀行が参加を表明しており、ブラジル国内の決済システムへの統合を予定している。またモバイル端末を用いたデジタル署名の認証や証明、また金融犯罪や金融システムの悪用防止がシステム導入の目的として挙げられた。

今回のID認証システムの導入で、IBMはブラジルの金融会社であるCIP社と提携。CIP社もブロックチェーンを用いたID認証用のプラットフォームのローンチを正式に発表した。

ブラジル全体の銀行組織の責任者であるJoaquim Kiyoshi Kavakama氏は、ブラジルの銀行は長い間ブロックチェーン技術の研究を重ねてきたが、それは複数の銀行が合同してではなく、個別に行ってきたと述べている。だから今回銀行でグループを作り、今後のアクションを全て統一する意向を示している。

Kavakama氏は今回の取り組みは銀行毎の差をなくすために重要と位置付けながら、「我々はブロックチェーン業界の最先端にいる」と自信も見せた。

今回のID認証システムは開発の段階で既に公表されておりブラジル時間11日から13日に首都サンパウロにて開催されているフィンテック系のイベントCIAB Febrabanでは、今週中のローンチが発表されていた。

11日には同イベントにて、リップル社がラテンアメリカへの事業拡大を目的として、ブラジルのサンパウロに新支社を設立することが判明。また、サンパウロ大学を含むブラジルの著名大学に対し、教育やトレーニングプログラムを開設する予定を明らかにしていた。仮想通貨やブロックチェーンの普及に向けて動きが活発化してきたブラジルにはこれからも注目したい。

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