- ビットコイン先物、機関投資家|仮想通貨市場の市場構造は変化
- 金融大手JPモルガンが、仮想通貨市場においてビットコイン先物や取引を行う機関投資家が与える影響は、一般投資家が想定するより大きいとの見解を示した。業界の市場構造が変化しているという。
2年前と違う|機関投資家が仮想通貨市場にもたらす影響
仮想通貨市場においてビットコイン先物、また先物取引を好む傾向にある機関投資家が与える影響は実際想定されているより大きいと結論づけるJPモルガンの報告書が公開された。
一部の大手取引所を除き、一般的には規制の管轄があまり行き届かないことで知られている仮想通貨取引所。今年3月に仮想通貨企業BitWise社が市場の95%に相当する大半の取引所で仮想通貨出来高を水増しする傾向が指摘された。業界のデータ企業はこれらの問題点に対策を講じることで状況は是正されてきているが、投資の指標となり得る出来高の問題は業界内外から大きく問題視された。
JPモルガンの投資アナリストであるNikolaos Panigirtzoglou氏は先週金曜日に発表したレポートでは、この出来高の問題を理由に、ビットコイン先物が仮想通貨市場に占める重要性は想定されているより高いと結論付け、業界の市場構造は変化してきている点を指摘した。
出来高の水増し、そしてそれに付随して誤算されていたビットコイン先物の出来高が実際の仮想通貨取引において占める比率は想定されているより高い。
つまり仮想通貨市場の構造は2017年末の市場と違い、機関投資家の影響が大きい仕組みになってきている。
BitWise社のレポート通り、本来の出来高が報告されている取引量の5%しかないと仮定した場合、5月の出来高7250億ドルの内362.5億ドルが本来の出来高として概算される。これは5月度のCMEとCboeの仮想通貨先物で取引された約120億ドルに対して33%に相当する。
また現在取引されるCMEやCboeのビットコイン先物は、現物を介さないコントラクトであるが、今後Bakktの現物先渡し先物取引が開始されれば、より現物市場価格への影響も強まることが予想される。
5月の報告書ではCMEのビットコイン先物出来高が過去最高を記録するなど仮想通貨先物が取引高ベースで需要拡大していることが見えてきたが、一般投資家が想定する以上に、現仮想通貨市場の市場構造は大きく変化しているようだ。
現在の仮想通貨業界が成熟しつつある中で、金融市場と関連する業界の進展は以下のような内容が挙げられている。
- フィデリティのカストディ事業参入
- Bakktのビットコイン先物テスト7月に開始
- フェイスブックの独自仮想通貨ホワイトペーパー公表
- JPモルガンの独自仮想通貨ローンチ
- マイクロソフトのブロックチェーン開発
- IBMのブロックチェーン部門
- スターバックスもブロックチェーン活用と仮想通貨決済を一部開始
- アマゾンで仮想通貨決済可能にする複数のプラットフォームが登場
- 年金基金も仮想通貨に投資