企業のブロックチェーン導入を効率化 印タタ、新開発キットをローンチ

ブロックチェーン開発キットをローンチ

インド三大財閥の1つタタグループの傘下で、最大手IT企業であるタタ・コンサルタンシーサービス(Tata Consultancy Services:TCS)が、ブロックチェーンの開発キットをローンチした。

本キットの名称は「Quartz DevKit」。イーサリアムやHyperledger Fabric、R3のCordaのようなプラットフォームで、ブロックチェーンを活用したアプリの構築を企業がより速く行えるようにすることが目的だ。予めテンプレートが用意され、スマートコントラクトの作成が40%速くなると、同社は説明している。

本キットのグローバル担当のトップR Vivekanand氏は今回の発表について、「様々な業界の顧客の多くが、拡大するエコシステムの取引における摩擦をなくそうとブロックチェーンを利用している。コード作成の負担を減らし、どんなプラットフォームの上でも、スマートコントラクトを利用して良質なプロジェクトを迅速に開始できるように役立ててもらおうとQuartz DevKitを開発した」と説明している。

本キットは、既存のアプリとブロックチェーンの統合にも利用でき、ネットワークの運営や監視の円滑化を可能にする。TCSは「本キットが提供するソリューションを組み合わせれば、ブロックチェーンの上で連動されたエコシステムを構築するのに役立つだろう。台帳で信頼できる情報源を1つに絞り、リアルタイムで効率的に取引を処理できるようになる」と述べている。

TCSは、時価総額が1000億ドル超(約11兆円)の大企業。グループの連結収益では、2019年3月末までの会計年度に209億ドル(約2兆3000億円)を記録した。

参考:Tata Consultancy Services:TCS