マイニング業界からゲーム業界へ
米ナスダックに上場しているハードウェア製造企業AMDが、ブロックチェーンゲーム業界に参入する。以前は仮想通貨マイニング機器を製造していた企業でもあり、新たなビジネスでチャンスを狙う。
AMDは、ゲーム大手のUbisoftや仮想通貨イーサリアムの関連企業ConsenSysも所属する「ブロックチェーンゲームアライアンス」に加盟。業界の提携企業に高性能なコンピューター技術を提供するという。同社はブロックチェーンについて、ゲームの開発や販売、購入からプレーに至るまで、その方法を変革する可能性を秘めた技術だと説明している。
まずAMDは、ブロックチェーンを活用したゲームのマーケットプレイスRobot CacheとUltraと提携。この2社は、暗号技術に最適なAMDのプロセッサやグラフィックカードを利用する。AMDブロックチェーン技術部門のトップJoerg Roskowetz氏は、「ブロックチェーンはプレイヤーと販売者両方に広い選択肢、セキュリティ、柔軟性をもたらす。次世代のブロックチェーンゲームのプラットフォームの導入で、プレイヤーは独占的にオンラインコンテンツにアクセスでき、それを自身で所有するための新たな方法を利用できるようになる」と語った。
AMDはこれまで、仮想通貨マイニング機器の製造に取り組んできた企業でもある。そのビジネスは、2018年第1四半期(1月-3月)の16億5000万ドル(約1810億円)の収入の内、10%を占めているほどだ。
しかし、第3四半期までにマイニング機器の収入は減少、同年第4四半期には完全に収入がなくなっている。最新の2019年第3四半期の発表では、マイニングビジネスには何も触れられていないことからも、撤退の可能性が指摘されていた。
ブロックチェーンや仮想通貨関連のビジネスは継続することがわかったAMD社。現在はブロックチェーンゲームに特化し、新たなアプリやサービスを提供して、ユースケースを増やしていく計画だという。
「ハードルの高いブロックチェーンの利用において、高性能な処理能力とグラフィック技術を組み合わせて最高の技術を提供し、特別な地位を築いていく」と説明している。